嘘や夢であって欲しかった その17 強制執行(=差し押え)の夢と現実

嘘や夢であって欲しかった その17 強制執行(=差し押え)の夢と現実

2005/03/18

2005年3月16日----------

 今日は強制執行の書類を地方裁判所の「債権差押係/仮差押・仮処分係」さんへ全て提出しました。2日前の2005年3月14日には既に書き上げてしまって、後は提出するだけの状態でした。しかし少し待ったのは「その14」でお伝えした通り、相手の電話を待っていたからです。

ああ、やっぱり連絡してこなかったか・・・

 予想通り、結局相手の電話はありませんでした。連絡すると言い出したのは相手の方でしたが、それはただ単に電話を切りたいだけの口実だったのでしょう。

 私はこの場に及んでまで、まだ相手をどこかで信じていて、誠意を見せてくれるのではないか、とか「電話くらいはしてくれるだろう」と期待していたのかも知れません。
 預金口座に弁済(=返済)の一部が振り込まれているのではないかと、一日何回も預金通帳の記帳をしに行きました。しかし、結局振り込まれてはいませんでした。預金通帳の磁気の部分がダメになり、行員の人に直してもらいました。今年に入ってからこれで4回目です。


 さてさて、強制執行の書類を提出し、手続きを終えた私は様々な事を係の人とお話ししました。今回はそれをご紹介します。

強制執行の流れについて

「あのーっ、この手続きが終わったらどうなるんですか?」
「これらの書類に不備が無ければ"債権差押命令"を発令して、"債権差押命令正本(要するに書類らしい)"を債務者(相手)と第三債務者(相手の勤め先の会社)に送達(=送る)します」
「それから?」
「それらの送達が完了したら、ご自身(債権者)にも"債権差押命令正本"と"送達通知書"を送ります」

「いつから強制執行が始まるんですか?」
「ご自身(債権者)に"債権差押命令正本"と"送達通知書"が届いた翌日から1週間経つと、差し押えた債権を第三債務者からご自身が取り立て出来るようになります」

「えっ?! 取り立て出来る?!」
「えーっと、債権の取り立てについては裁判所はいっさい関与しませんのでご注意を」

そ、そうなのか?!

「よ、要するに、自分で会社に取り立てに行けと?」
「そういうことです」

・・・だんだん雲行きが怪しくなってきました。

「具体的に・・・例えば電話をするとか、直接行く等は私が?」
「その通りです」

なんてこったい!! "強制"執行って言っても結局私が一人で行動するハメになるとは・・・。なんかそれじゃ今まで通りの「任意(=その人の意思にまかせる事。要するに私の意思で思いつくまま)で取り立て」とあんまり変わらないではないか。

「じ、じゃあ、執行官って何する人なの?」
「執行官は物品とか不動産を差し押える時です。ご自身は"給料債権を強制執行する"という事ですので残念ながら関係ありません」

ああっ・・・がっくり。

債務者の弁済(返済)について

「あ、そうそう。言い忘れていました」
「なんでしょう? 」
原則としては弁済は手渡し、なのですが、第三債務者の承諾を得て、銀行振込にすることも出来ますよ」
「そうですか・・・(上記の会話で一気に疲れがきてしまっている私)」
銀行振込の場合、手数料自体は債権者負担ですのでご注意を」

おいおい、法律は私にまだ金を払わせるつもりらしいです。もう勘弁して下さいヨ・・・。なんかこっちの方が先にひからびそうです。

「後ですね、取り立てをした場合や債務者から任意の支払いを受けた場合は、必ず裁判所に連絡して下さい。"債権差押命令正本"と一緒に"取立届"という紙が入っていますので、その紙を記入して提出していただければOKです」
「もしかして、毎回ですか?」
はい、毎回です。給料債権の場合は分割になるでしょうから毎月、ですね。"取立届"は1枚しか入っていませんので、それをその都度コピーしながら使って下さい」
「・・・そうですか」
「はい」

 なんか非常に面倒くさい事になってまいりました。

訴訟費用や遅延損害金、物品の強制執行について

「(気を取り直して)あのーっ、請求債権目録には"訴訟費用"が含まれていませんよね。"遅延損害金"も今日(2005年3月16日)までの分しか含まれていませんし・・・。でも債務名義(第一回口頭弁論調書の判決)には訴訟費用や遅延損害金を払えってあります(その16を参照)。このあたりはどういう風になるんですか?」

「えーっと、全ての弁済を1つの強制執行でしてしまうと、第三債務者のほうが計算がややこしくなったり、それによって間違いが発生したりしますので今回は一旦この金額で切ってしまうのです。
 まずは元本と今日までの遅延損害金、今回の執行費用、ご自身の場合は未払利息もを合計した金額を取り立てます。今回の強制執行の弁済が全て完了したら、再び今度は"訴訟費用"と"明日以降の遅延損害金"の強制執行をかけるのです」

「その"再び強制執行"の金額の計算は誰がするのですか?」
「もちろんご自身でしてください」

えーっ、そんなぁ。なんか計算がメチャクチャになりそう・・・。

「たとえば給料債権以外にも物品の強制執行が途中でしたくなったらどうするのですか?」
「強制執行は同時に幾つも出来ません。一旦給料債権の強制執行を止めます。判決(債務名義)が既に使用中ですので、判決を取られた裁判所(私の場合は簡易裁判所)に行って"判決をもう一つ発行してもらう手続き"をして、その取得した判決を今度は物品の強制執行に使います」

まぁ、物品の強制執行は前にも書いたように有り得ン話だけれど一応聞いてみました。それにしても「使用中」なんて言われると債務名義があたかもTVゲームのアイテムみたい・・・

不測の事態に備えて

「仮に第三債務者が強制執行を無視したりしたら、どうするのですか? 支払いが無いとかがあったらどうするのですか? 不測の事態があると思うのですが」
「その場合は、今度は第三債務者を相手取って、いわゆる"取り立て訴訟"をこちらではご案内しています。"強制執行に応じなさい"と求める訴訟です」
「もしですね、その訴訟に私が勝ったとしても、第三債務者がまた強制執行を無視したり支払いが無かったりしたら?」
その場合は再び"取り立て訴訟"ですねぇ・・・

おいおい、なんか無限ループって感じがするンですけれど。

「あの、相手が破産してしまうとどうなるんですか?」
「債務者の破産申し立てがされると、直ちに強制執行が停止されます。強制執行によって本来ご自身に渡るはずの1/4の給料は第三債務者に一旦プールされます。そして債務者の破産が確定して免責されるとプールされていた給料は債務者に戻ります」
「えっ?! 債権者に分配されるんじゃないの?」
「いいえ、破産の中でほとんどを占める同時廃止事件では責任財産を処分する手続きは行わず、かつ、免責されるのですから。ハッキリ言って債務者が破産してしまうと債権者はオシマイです」


 私は試合に勝って勝負に負けてる気がしてきてしようがありませんでした。「強制執行だ! 差し押えだ!」と言っても、現実はいくらでも落とし穴が潜んでいるようです。

 強制執行は訴訟の判決と同様に"絵に描いた餅"なのでしょうか。あまりにも厳しい債権者の条件・・・。誰か助けて!!